野心
2016.07.20
 社員数百名程のファブレス半導体メーカーに営業で訪問した時の事、私が会社紹介の説明を終えると先方が「うちも同じ年に創業したけど、なぜ御社は社員数1万人を超える程に大きくなれたのでしょう?」と言った。私はお茶を濁してその質問をやり過ごしながら内心「それは経営者が1万人を超えるような規模の会社で行うビジネスのビジョンを持っていたからだろう」と思っていた。ソフトバンクの孫社長はソフトバンクを創業した当時は大きな事ばかり言ってホラ吹きだと言われた事もあったそうです。他人にはホラにしか聞こえない様な大きな事を彼は真剣に考えていたからこそ、会社を今の規模まで大きく出来たのだと思います。しかし彼の野望はまだまだ上を目指していたようで、ARMを3兆円で買収のニュースには正直驚かされました。

 数年前孫社長がアローラ氏を後継者として破格の報酬で雇った時、アローラ氏の人脈が目当てなのは分かったけれどそれで何をしようとしているのかまでは分からなかった。しかし、ARM買収のニュースを聞いて「これだったか」と合点がいった。アローラ氏はARM社買収の布石でしかなく合計200億円を超えるアローラ氏の報酬は3兆を超える買収の経費の一部だったというわけか。だから買収の話しが纏まれば経費を少しでも押さえる為に直ぐに辞めてもらったのだろう。大企業の後継者という地位と破格の報酬でGoogleの大物を一本釣りして目的を達成したらハイさよなら。そういう事を上手くやれる才能も世界一になるという野望を果たす為には必要なのだなと思い知らされました。年齢的にもまだ若いので彼の上を目指す野心は暫くは続くでしょう。孫社長が次にどんな買収で我々を驚かせてくれるのか楽しみです。

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