交通事故とJAL123便
2015.08.11
とある割烹のカウンターで食事をしていて女将と交通事故の話しになった。自動車は事故を起こせば人を殺してしまう可能性がある、だから車を運転する時はいつも自分は人を殺してしまうかもしれない様な危険な物を扱っているんだという気持ちで運転すべきだと私が話したら、隣に座っていた大学で教鞭を取っているという40歳から50歳くらいの男性が「それは考え過ぎだろ」と言い、いくら説明しても聞く耳を持たなかった。事故を防止するには未然に対策を取る事が重要で、対策を立てるには起こりうる事故について出来る限り多くのリスクを想像する力が必要だ。当たり前でない事が起きるから事故が絶えないというのに、その簡単な理屈を面倒くさがって知らん振りしている人が世の中には結構いる様に思う。

個人に安全に対する考え方を押し付ける事はできないが旅客運送となれば話しは違う。プロの方々が万全のシステムを運用していると信じているからこそ私たち利用者は安心して旅客機に乗れる。しかし現実は違うという事を私たちは1985年8月12日のJAL123便墜落事故で知る。事故調査報告の通り不適切な圧力隔壁の修理方法が原因だったとしたら、同じ事故の再発を防ぐには修理方法を決める人たちに、自分たちの決断によって数百の人たちの命を奪う可能性が有るという想像力を持たせる事が大切だと思う。一人で軽飛行機を飛ばして墜落して起こす事故も大勢の人や会社が関わって運用している旅客機が墜落して起こす事故も、人の過失が引き起こすという点は同じだと思う。立場、旅客や設備の規模が違うだけで、リスクマネジメントの理念は共通だと思います。どんなフライトでも関わる人全てが如何に過失を減らすかを考え適切なマネジメントを心がける事が大切だと思います。

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