募金は助け合い?
2020.11.14
 メキシコからアメリカに向かう高速道路はいつも国境で渋滞していて、車の間に物売りや物乞いや窓拭きの少年達がいる。大抵の車は窓を閉めて無視しているが、たまに物乞いが持つ空き缶に小銭を入れているのを見かけた。物乞いにお金を恵んでいる人は大抵メキシコ人で、本人もあまり裕福そうには見えなかった。お金のある人こそ恵んであげても良さそうだが、考えてみればお金のある人には恵んであげる理由が無い。お金の無い人はきっと物乞いの苦労が分かってしまい僅かでも救ってあげたくなるのではないか、私はそう考えた。

 今年もまた赤い羽募金の季節がやってきた。戦後日本の混乱期は生活が苦しい人が多く、貧しいメキシコ人と同じようにみなで助け合おうと募金したのだろうけど、今はみな何を思って募金しているのだろう?もしメキシコに行ったらきっと物乞いを無視するであろう裕福そうな日本の人たちが、町内会の赤い羽募金に募金するのは、仲間はずれを恐れる同調圧力のように思える。なんとも日本らしい・・因に私は今年集める側です
小学校の卒業式に袴
2019.03.15
小学校の卒業式に袴を履いて参加する生徒が増えていて問題になっていると言う記事を見かけた。そもそもどこでどんな問題になっているのか報道自体が疑問だが、なんとも日本人らしいニュースだと思った。他に比べて目立つモノに対して客観的な根拠もなく色々理由を付けて相応しくないとか言って否定する。多くの場合がやっかみとしか思えない。袴の件も記事を読む限りは袴を借りたり買うお金のない人のやっかみにしか聞こえない。それも実際に貧乏人たちがやっかんでるわけでもなく、メディアがそういう構図を作り上げて焚き付ける様に報道している様に見える。
個人情報保護対策
2019.02.28
 昔ヨーロッパで医者と弁護士にユダヤ人が多いのは個人情報を収集するのに都合が良いからだとものの本に書かれていた。インターネットの前身であるDARPANETはアメリカで作られ、FBIはインターネット上の全てのemailをチェックできるシステムを持っていて、米英豪加ニュージーランドの英語を話す5カ国はemailだけでなく電話など世界中のあらゆる通信を傍受できるエシュロンというシステムを運用している。

 インターネットのまとめサイトNAVARは韓国の諜報機関KCIAがプロパガンダ用に作ったサイトで、その子会社にKCIAのOBを社長として送り込んで作ったのがLINE。5Gの基地局や端末で世界の情報を握ろうとしたHUAWEIは支那の人民解放軍のフロント企業、支那の企業TikTokは児童の個人情報を違法収集していると米国で告発された。今の世界でどこにいても誰かの監視を逃れて通信をする事は不可能と思われる。

 自分がVIPでなければ電話の盗聴を気にする事は無いけれど、もし自分の個人情報を守りたいのならLINEやTikTokのようなアプリはインストールしない事だな。
町の電気屋さん
2019.02.10
 エアコンの室外機の位置を変えようと無理に動かしたら銅管が切れてフロンガスが漏れてしまい、どこに修理を頼めば良いか分からず取り敢えず近所の個人経営のいわゆる町の電気屋さんに電話してみた。すると明日か明後日なら行ける、大体3万円位で直せるとの事。一旦電話を切って気持ちを落ち着けてから相場を調べようと思い、ネットで大手メーカーの名前を使った業者のコールセンターに電話してみたら、2万円くらいで明日来た時に見積と同時に修理も出来るとの事なので依頼する事にした。

 翌日指定の時刻に業者がやって来て現場を見るなり2万円で出来ると言うのでやってくれと言うと、ガスの在庫が無いので修理は5日後になるという。こちらが指定した時間に済ませられるかというと来るのは別の業者なのでスケジュールは直接交渉しろという、そして紹介会社を通しているので4万円になるとい言い出した。さっきの2万円は何だったんだ?と聞くと、ウェブサイトの紹介会社には今回の依頼をキャンセルした事にして、5日後に来る友人の業者に直接依頼すれば安く出来るというのだ。

 一見安くなるので得する様に聞こえるかも知れないが、私には平気でルールを破りパートナーを裏切る信用出来ない奴としか思えなかった。言っている事がころころ変わる遠方の見知らぬ信用出来ない業者にはとても頼む気になれず見積代金を支払って引き取ってもらった。美辞麗句が踊るウェブサイトと出来もしない事を言うコールセンターについ引っかかってしまい勿体ない事をした。

 その業者を断って直ぐ近所の電気屋さんに電話したら翌日の朝一番で来てくれて2時間程度で直してくれて2万8千円だった。修理中世間話にも花が咲きとても気持ちよく仕事をしてくれた。最初から近所の電気屋さんにすれば良かった。
危険半円
2018.08.08
 船舶免許の座学で北半球では台風の進路の右側を危険半円、左側を可航半円と習う。



 台風13号が直ぐ近くまで来ているのに風雨はそれほど酷くない。気象庁の台風経路図をみたら現在関東地方の太平洋岸をかすめて通過中のよう。今我々は台風13号の可航半円にいるという事か。

EuphoriaとPanicは紙一重
2018.07.04
 ミラーハイマンというアメリカ系の営業コンサルティング会社が提供するStrategic Sellingというコースで使うブルーシートというフォーマットがある。自分の追いかけている契約案件の情報を書込んで状況を整理してビジネスを獲得するためのツールで、そのなかに現在の自分の心境をEuphoria(有頂天)からパニックまでのどこにあるかをチェックする欄がある。EuphoriaとPanicは対極なのだが実は紙一重でEuphoriaは一転してPnicの状態になる可能性もあると習った。昨日のサッカーワールドカップ日本対ベルギー戦最後の逆転劇の動画を見返していてそれを思い出した。

 後半アディショナルタイムに入って48分、残り時間一分、ここで決めれば勝利という絶好のタイミングでフリーキックを得た本田の心境は正にEuphoriaだったはず。本田は良いキックをしたがキーパーの好セーブに阻まれコーナーキックとなり残り時間は30秒。今にして思えばこのコーナーキックは安全策を取ってボールを回し延長戦に持ち込めば勝つ可能性は残せた。しかし日本は監督も選手もみなEuphoriaになっていてこれを決めれば勝てる!と思い込んでいた。だから本田はゴールを狙うキックをした。結果は失敗、その直後にカウンターをくらいたった9秒足らずで1点を失ってしまった。日本代表はEuphoriaから一転Panicに陥った。

Euphoriaになると全てうまく行っていると信じ失敗のリスクが見えなくなる。そして無意識にリスクを冒すので突然失敗した様に思え「何故失敗したんだ?」となる。今後の日本代表の課題の一つはチームがEuphoriaになってしまった時に監督やベンチスタッフがそれに気付いて不要なリスクを冒さないようになる事だろう。西野監督が試合後のインタビューで「何が足りなかったのだろう」と言っていたが、足りなかった事の一つはこれだと思う。

 優勝候補相手に2点先制しあわや勝利という所まで持って行ける選手を擁する日本代表チームは既に優勝できるポテンシャルを持っている。残る課題の一つは監督やコーチ陣がEuphoriaになりがちな状況でも冷静で客観的な判断で選手をマネジメント出来る能力を獲得する事。選手だけでなく監督もヨーロッパや南米に行って修行を積むのも良いかも知れない。若い世代にもいいタレントが揃っているので今から4年後が楽しみだ。
米イージス艦衝突事故
2017.06.18
 マリントラフィックのデータによれば下の写真の様に貨物船ACX CRYSTALは浜松沖をずっと東に一直線で航行していた様です。恐らくイージス艦も横須賀へ帰るべく同じ様な航路を貨物船と平行して走っていたと思われます。貨物船は石廊崎を過ぎて東京湾に向け左に転針した。しかしイージス艦はまだ直進を続け二隻の航路が交差した。この場合相手を右側に見る船すなわちイージス艦に左に大きく転回して回避行動を取る義務がある。もしイージス艦の速度が貨物船より速くて追い越す形だったら、イージス艦は前方に貨物船が見えて左に回避したはずなので、そうしなかったという事はイージス艦は貨物船と同じか遅く走っていたと考えられる。船体の損傷具合から推測すると貨物船はイージス艦より少し後ろを走っていてイージス艦を視認していたはずだ。しかし自分は右側で進路保持船なのでルール通り直進した。イージス艦は貨物船より前を走っていたので貨物船に気付かず回避行動を取らず衝突したのではないか。だとすればイージス艦の右後方見張り不十分が事故の原因と考えられる。あくまで推測です。

技術立国?
2017.04.29
 F-1でホンダのエンジンがパワー不足で勝てない。一昨年の日本グランプリのテレビ放送で翌年のレギュレーションを適用したホンダエンジンの技術を3DのCGを使って説明していたのを見て期待をしたが、昨年の成績は惨憺たる結果だった。経験を積んで今年は良くなるかと思ったらやはり駄目。80年代はホンダのターボエンジンが強すぎてターボ圧を抜くバルブの装着が義務つけられたり、ノーマルアスピレーションになったり、あからさまにホンダの強さを押さえようとしていたのが懐かしい。それでもホンダのエンジンは強かった。所が今はメルセデスAMGやフェラーリが実現している技術に追いつけないでいるらしい。もしかしたらホンダの中で世代間の技術の継承がされていないのではないかと危惧しています。これはホンダだけでなく日本の技術は世界一だという思い込みが日本の色々な技術を駄目にしているのではないかと時々思う事があります。奢る事無く常に謙虚なチャレンジャーでいる、言うのは簡単だけど実践するのは難しいか・・・
原点に帰る
2016.12.20


中学生の頃初めて買ったレコードがこのホテルカリフォルニア。社会人になり転勤して数年実家を留守にしている間に、事もあろうに家族が他の私物と共にこのレコードを棄ててしまった。あれから約40年、神田神保町の中古レコード屋で見つけて再び私の手元に戻って来た。質屋を利用した事は無いけど、質に入れた宝物をやっと取り戻した気分^_^。レコードでホテルカリフォルニアを聴いていると昔を思い出す。この音が私のオーディオの原点だ。
トラ・トラ・トラ!
2016.12.08
 昭和16年12月8日、「ニイタカヤマノボレ」の暗号電文が大本営から日本海軍空母機動部隊に発信され真珠湾攻撃が開始された。あまり知られていないが万が一開戦が回避された場合の暗号は「ツクバヤマハレ」だったらしい。日本軍による攻撃はアメリカの戦艦4隻沈没その他多数の船や航空機を破壊し約2,400名の死者を出した。そして攻撃隊総指揮官から旗艦赤城に向けて奇襲成功を意味する暗号電文「トラ・トラ・トラ」が発信された。これは映画のタイトルにもなったので有名だ。

 今月末安倍首相が真珠湾を訪問し犠牲者を追悼する事になった。諸事情を鑑みて8日ではなく月末になったそうだが、どうせなら8日に行って彼らの式典に参加して慰霊碑の前でコブシを天に突き上げて「トラ・トラ・トラ!」と叫んだら面白いのに。(笑)
Thanks Giving Day
2016.11.25
 アメリカで11月の第4木曜日はサンクスギビングデーの祭日。アメリカ全土の殆どの人々がみな親族などと過ごすために一斉に帰省する。だから普段は24時間営業や年中無休の店舗も閉店し空港はものすごく混雑し帰省客でごった返す。雰囲気的には日本の正月や中国の春節に似たような感じかな。

 以前アメリカに赴任した時、VISAの関係で家族は私より後になって11月中旬にアメリカに引っ越してきた。小さな子供2人と妻の4人でサンノゼの町で暮らし始めて最初の連休がサンクスギビングデーだった。連休初日、私たちは夕方5時頃いつものように近所のスーパーに買い物に行ったら閉店していた。少し離れたほかのスーパーも閉店していた。あちこち回ったが全て閉店していた。ようやく閉店直前のスーパーを見つけてなんとか買い物を済ました。その後車で町を回ったらどこもかしこもひっそりとして人っ子一人歩いていなかった。みな帰省してしまって町中の店と言う店が閉まっていた。

 連休の間町を回っていて幾つか営業しているレストランをみつけた。それは中華料理屋か日本食レストランだった。彼らは帰省する田舎も無くアメリカの習慣に関係なく営業していたのだった。日本食レストランには行き場を失ったアジア人が列をなしており大変混雑していた。翌年のサンクスギビングからは自分たちも旅行をするか、地元にいる時は馴染みの和食レストランを数週間前から予約しておくようにした。サンクスギビングが終わると町は一斉にクリスマスモードになる。製造業では早いところでは12月20日ころから冬休みになる会社もある。12月に入るとアメリカはもう年末のお休み気分で仕事にならない。
My Hero
2016.09.03


 最近カリフォルニアで開催された車が好きな富裕層が集まるイベントで、有名な日本人カーデザイナー奥山氏のKode57がお披露目された。その写真を見て一発で惚れてしまった。車もカッコいいけどそれだけじゃなくて奥山氏自身もカッコいい。アメリカやイタリアの有名車メーカーやデザイン会社を歴任し、車以外にも鉄道やトラクターなど幅広い分野で活躍し、大学教授もつとめ、出身地の山形に自動車メーカーを設立し外国の超大金持ちしか買えない車を造る。そんなのは漫画のヒーローだけの話しだと思っていたのに、まさか実現している日本人がいるなんて!格好良すぎる!!

 ヨーロッパにはフェラーリ、ランボルギーニ、マセラッティー、ロータス、TVRなど規模は小さいけれどスーパーカーと呼ばれる様な芸術的な車を作るメーカーが幾つも有るのが羨ましかった。日本は経済的に豊かになってもブランドの歴史は浅くとてもヨーロッパには及ばないと思っていた。でも、デザインは歴史が無くてもセンスがあれば良い物が生み出せるはず。それを奥山氏がKode57で実現してくれた。車だけじゃなくてプレゼンしている奥山氏もカッコいい。同じ50代の男として憧れてしまう。
野心
2016.07.20
 社員数百名程のファブレス半導体メーカーに営業で訪問した時の事、私が会社紹介の説明を終えると先方が「うちも同じ年に創業したけど、なぜ御社は社員数1万人を超える程に大きくなれたのでしょう?」と言った。私はお茶を濁してその質問をやり過ごしながら内心「それは経営者が1万人を超えるような規模の会社で行うビジネスのビジョンを持っていたからだろう」と思っていた。ソフトバンクの孫社長はソフトバンクを創業した当時は大きな事ばかり言ってホラ吹きだと言われた事もあったそうです。他人にはホラにしか聞こえない様な大きな事を彼は真剣に考えていたからこそ、会社を今の規模まで大きく出来たのだと思います。しかし彼の野望はまだまだ上を目指していたようで、ARMを3兆円で買収のニュースには正直驚かされました。

 数年前孫社長がアローラ氏を後継者として破格の報酬で雇った時、アローラ氏の人脈が目当てなのは分かったけれどそれで何をしようとしているのかまでは分からなかった。しかし、ARM買収のニュースを聞いて「これだったか」と合点がいった。アローラ氏はARM社買収の布石でしかなく合計200億円を超えるアローラ氏の報酬は3兆を超える買収の経費の一部だったというわけか。だから買収の話しが纏まれば経費を少しでも押さえる為に直ぐに辞めてもらったのだろう。大企業の後継者という地位と破格の報酬でGoogleの大物を一本釣りして目的を達成したらハイさよなら。そういう事を上手くやれる才能も世界一になるという野望を果たす為には必要なのだなと思い知らされました。年齢的にもまだ若いので彼の上を目指す野心は暫くは続くでしょう。孫社長が次にどんな買収で我々を驚かせてくれるのか楽しみです。
諸行無常
2016.03.10
自宅の近所のハム屋さんの店舗が解体され更地になった。昨年末で廃業したらしい。ハム屋さんのオーナーは十数年前に亡くなり奥さんが商売を続けていたが、高齢となりついに店じまいをしたとの事。ここ数年で子供の頃からあった建物が無くなって行ったが、このハム屋さんとは少なからず縁があったので、無くなったのはちょっとショックだった。

その店舗は私の家から家一軒と道路を挟んで少し低いところにあり、間の家が建替える前は私の家から店舗が見えていた。店舗を囲む住宅地や駐車場など数百坪は昔そのオーナーが所有していて、私が生まれる前からそこで牧場を営んでいた。私が子供の頃は牧場の牛が逃げて家の近くを歩いていた事もあった。私が小学生低学年の頃に畜舎が火事で全焼し、それを機に牧場を閉じて跡地に大きな自宅と肉屋の店舗が建った。私の父は建具屋でその店舗の建具の注文を受けていたので建て付ける時に私も付いて行き、まだ引き渡し前の店舗内をあちこち探検させてもらったので、どんな間取りだったか良く知っていた。オーナーは郊外にもう一つ牧場を持っており、そこで育てた牛や豚の肉をその店舗で解体し販売した。下衆な勘ぐりだが牛や豚をそのまま販売するよりも、精肉にして小売する方が付加価値が付く分きっと儲かっただろう。

そのオーナーはとても気さくな人で家族で一緒に旅行をしたり、時々自宅の夕食に招いてもらったりして家族ぐるみの付き合いをしていた。私の結婚式にも来賓として来て頂いた。オーナーは牧場や肉屋以外にも会社を持つお金持ちでロータリークラブにも所属してた。私が中学生の頃、オーナーが神戸の三田屋でハム工場の見学をして帰ってきて自分でもハムを作り始めた。時々夕食に招待されると試作したハムが出されて感想を求められた。本人は生ハムといっていたが、今思えば普通のハムだった。見た目も材料も良いのだけれど正直とても塩味が強くあまり食べる事が出来なかった。私は一枚食べるのが精一杯だったが、だれもしょっぱいとは言わなかった。いや言えなかった。暫くしてオーナーは自家製ハムの販売を開始した。最初のうちはやはり少し塩味が強かったが何年か経つと塩はきつくなくなっていた。

ハムの味も良くなり、ソーセージや鶏肉の燻製など品揃えもバリエーションが増え、精肉とハムの販売量が逆転しついに精肉の販売をやめてハムの専門店になった。オーナーはロータリークラブに入っていたくらいなので、葉山辺りのお金持ちにも人脈があったのか、御中元や御歳暮の時期になるとよく店舗の前に注文に来た客の高級外車が止まっていた。私は社会人二年目から転勤で地方や外国を転々とし38歳で実家に戻ってきた。私が海外駐在中にオーナーは病気で亡くなり奥さんが商売を続けていた。そのハムはすっかり地元のブランドとして定着し、私も何度か御世話になった方への御使い物に利用させてもらった。そして昨年、ついにハム屋は廃業しその場所は更地になった。

その更地を見て二つの事を考えた。一つはビジネスの事。牧場、精肉販売、ハム製造販売という業態変化の中で、オーナーは自分の力で商品に付加価値をつけて行き商売を大きくして行った。そして最後にはローカルとは言えブランドを確立するまでに育てた事。もう一つは世代交代の事。地元に根付いたブランドも次の世代に引き継がれなければ無くなってしまう。と言うか会社やブランドは作り上げた人そのものであり、その人と共に生まれ共に消えてゆく物なのだとしみじみ思った。そこにあった物が時代と共に姿を変えて行き最後には消え去る。その更地を見る度に牧場、牛、開店前の店舗の内部、子供の頃肉を買いに行かされた事、塩味がきつかったハムの試作品、家族ぐるみで行った旅行や食事などが走馬灯のように頭の中を巡り、一つの世代が終わったと思わされる。



ジカ熱と進化
2016.02.06
最近のジカ熱の流行による小頭症が発生しているニュースを見るたびに、昨年末に放送されたNHKの「生命大躍進」という番組を思い出す。地球に生物が誕生してから人間になるまでの進化の過程で、DNAにどう変化が起きたか分かりやすく説明していた。私が知っていた進化論は単なる推測で進化が起きたメカニズムの説明が無かったけれど、この番組の説明は合理的でとても面白かった。

幾つかの大きな進化のうち、ほ乳類の脳に大脳新皮質が生まれたのは、あるウイルスのDNAがあるほ乳類のDNAに割り込む事で脳が劇的に大きくなったというのがあった。世界のあちこちでウイルスによる正常な細胞分裂の阻害はきっと数えきれない程起きていて、たまたま淘汰に耐えうる進化に適した変化がDNAに起きたときに生き物は進化してきたのだろうと思う。

ジカ熱では逆に脳が小さくなる変化が起きている。もしかするとこれまで色々なウイルスで色々なDNAの変化が起きていて、それに気付いていないだけなのかも知れない。40億年の生命の歴史の中ではウイルスによるDNAの変化が幾度と無く繰り返されており、ジカ熱による小頭症も長い進化の過程で起きる変化の結果の一つなのだろうなとこのニュースに触れるたびに思う。

http://www.nhk.or.jp/seimei/special.html
旅客運輸におけるORM
2016.01.18
どんな乗り物でも操縦する時は無意識に五感を使っています。昔バイクに乗っていた頃はメーターを見ずにエンジン音や景色の流れでアクセルやブレーキを操作する事もありました。渋滞している車線の隣の車線を走るとき、急な車線変更をする車や人やバイクが飛び出して来ないか心配でスピードを落とします。このときメーターを見ずに景色の流れで安心するスピードを感じて調整しています。人は車の運転中無意識に景色の流れを感じてスピードを調整しています。

物が動くとその重さによって慣性の力が変わります。軽飛行機は操縦桿を動かせば簡単に行きたい方向に進む事ができますが、シミュレータで大型旅客機を操縦すると操縦桿を動かしてもそのように動き出すまでに時間がかかります。乗り物が重くなればなるほどそのタイムラグは大きくなります。

先日碓氷峠で起きたバス事故はこの二つの要因が関係していると思います。運転とは五感で得た情報を基に正しい操作を判断し手足や指に伝えて動かす事。運転は出来るだけ多く出来るだけ頻繁にすると上手になります。逆に経験が少ないと上手くなりません。運転を積み重ねれば頭の中に景色の流れや慣性の起き方の経験値が増え、五感からの情報を正しい操作に結びつける判断に必要なケースが増えます。事故を起こしたドライバーは12メートルのバスの運転は4回目だったそうです。最初の2回は同僚による技量検査及び習得だったそうなので、おそらく峠道など走っていないでしょう。3回目は高速道路など簡単な道ばかりだったのかも知れません。しかし、4回目に経験した事の無い状況が発生してしまった。

現場はくねくねと曲がる長い上り坂を上り切ると長い直線の下り坂になっている。街灯は無く真っ暗。真っ暗で景色は見えずスピードを調整する指標が無くいつの間にか危険な速度に達していた。最初の緩い右カーブで早すぎて左側面をガードレールにぶつけながらなんとか切り抜けた。しかし目の前にきつい左カーブが見えハンドルを左に切った。ブレーキを掛けたが遠心力で左車輪は接地しておらず右外側の車輪のみしかトラクションが無い。12メートルの大型バスの慣性は大きく速度も方向も変わらないままガードレールを飛び越え谷に転落。きっとこうだったのではないかと推測します。

もし出発前にORM(Operational Risk Management)シートを書いていたら、はたしてこの状況を予測として書き込めただろうか?少なくとも今後は書けるはず。そして対策として経験が少ない場合は必ず高速道路を通るなどのコントロールを入れる事で似た様な事故の回避は可能になるはず。リスクコントロール以前に旅行会社も運行会社もルール遵守のモラルが欠如していたようですので、そこは取り締まりで改善するしかないでしょう。亡くなられた学生たちのご冥福と彼らの死が無駄にならず将来の安全向上に役立つ事を祈ってます。
2chは匿名?
2015.11.16
匿名でいろいろ書き込めると思っていた2chって、2009年にPacket Monsterというシンガポール籍の会社に譲渡されていたんだね。メディアは権力。2chはある意味日本の世論を形成するメディアになっていたと思ってたけどそれも海外の手に落ちたか・・・って気づくのが遅すぎ?。(笑)
お気に入りの店
2015.10.26
久しぶりに旧友と一献。ここは自宅から少し離れた所にある私のお気に入りの店。イタリアンな一品料理、豊富なスコッチ、ドラフトのギネス、珊瑚礁と同じカレーなどなど、私が好きな物が沢山揃っている。

交通事故とJAL123便
2015.08.11
とある割烹のカウンターで食事をしていて女将と交通事故の話しになった。自動車は事故を起こせば人を殺してしまう可能性がある、だから車を運転する時はいつも自分は人を殺してしまうかもしれない様な危険な物を扱っているんだという気持ちで運転すべきだと私が話したら、隣に座っていた大学で教鞭を取っているという40歳から50歳くらいの男性が「それは考え過ぎだろ」と言い、いくら説明しても聞く耳を持たなかった。事故を防止するには未然に対策を取る事が重要で、対策を立てるには起こりうる事故について出来る限り多くのリスクを想像する力が必要だ。当たり前でない事が起きるから事故が絶えないというのに、その簡単な理屈を面倒くさがって知らん振りしている人が世の中には結構いる様に思う。

個人に安全に対する考え方を押し付ける事はできないが旅客運送となれば話しは違う。プロの方々が万全のシステムを運用していると信じているからこそ私たち利用者は安心して旅客機に乗れる。しかし現実は違うという事を私たちは1985年8月12日のJAL123便墜落事故で知る。事故調査報告の通り不適切な圧力隔壁の修理方法が原因だったとしたら、同じ事故の再発を防ぐには修理方法を決める人たちに、自分たちの決断によって数百の人たちの命を奪う可能性が有るという想像力を持たせる事が大切だと思う。一人で軽飛行機を飛ばして墜落して起こす事故も大勢の人や会社が関わって運用している旅客機が墜落して起こす事故も、人の過失が引き起こすという点は同じだと思う。立場、旅客や設備の規模が違うだけで、リスクマネジメントの理念は共通だと思います。どんなフライトでも関わる人全てが如何に過失を減らすかを考え適切なマネジメントを心がける事が大切だと思います。
階層化ビジネス
2015.06.10
TV東京のガイアの夜明けを見ていて、あるシーンで怖さというか不安というか敗北感のようなものを感じた。それは中国の楽視という会社のCEOが新商品のスマホのプレゼンをしているシーン。デニムのパンツにTシャツを来たCEOがステージに現れ、おもむろに商品を手にして紹介し、スクリーンには商品の大きなイメージが投影される。スティーブジョブズを真似した最近ありがちな風景だけど、その中国人のCEOの様子は自然で違和感無く受け入れられた。日本のこの手の会社のCEOには出来ないだろうな。

見た目だけでなくビジネスモデルもiPhoneと同じだ。日本には何故アップルのような企業が生まれなかったのか?などと議論された事も有ったが、物まねとは言え中国では見た目も中身もアップルを真似した企業が生まれている。そのマーケットでも日本企業の役割は部品サプライヤーである。日本には真似出来なかったアップルのようなビジネスモデルを中国は真似出来ている。それを見てエレクトロニクスで日本が新興市場の主導権を握る事はもう出来ないのではないかと感じた。
横須賀駅1番線
2015.04.08


横須賀駅はJRで唯一階段が一段も無い。写真の奥が駅舎でプラットホームと同じ高さに改札があり、そのまま段差無しで外に続く。そしてもう一つ、横須賀駅には1番線が無い。この謎のどちらにも実は天皇が関係している。

横須賀基地には大日本帝国海軍鎮守府が置かれ、昔は横須賀駅の前に基地の入口があった。天皇が列車で海軍鎮守府を訪れる際の為に、横須賀駅には天皇専用のホームと駅舎があった。写真の左手にある草に埋れた線路とホームがそれで、現在トイレがある所に駅舎があった。この天皇専用のホームが1番線だった名残りで今の横須賀駅には1番線が無い。そして横須賀駅に段差が一段も無いのは、天皇が駅を通る際に天皇より高い所に人が居る様な事が無い様、一切段差の無い作りにしたと言われている。
日本品質はどこへ
2015.03.29
アメリカ生活で日本と違うと思った事の一つに電機量販店のリターンカウンターがあった。大手量販店では大抵入り口を入ると直ぐ脇に返品専用のカウンターが有る。暫くアメリカで生活するとしばしば不良品に出くわす。そして購入した店の返品カウンターで新品と交換してもらう。お客も店も不良品が有るのは当然、不良品があったら交換すれば良いというのが前提で作られているカウンターだ。日本では不良品はあってはならないという文化だからそういうカウンターは無いし不要だと思っていた。

先週BDレコーダーを購入したら最初からリモコンが壊れていた。通販会社の伝票を見ると最初はメーカーに問い合わせろと書いてあったので、インターネットでメーカーのサイトを見たが電話番号にたどり着くのも大変だった。電話をしたら新しいリモコンを送ってくれるとの事。しかし届くのは5日後以降との事。それまでBDレコーダーは使えない。なんだかとても面倒くさくて損した気持ちになった。アメリカだったら車でちょっと走ればリターンカウンターで交換して貰えるのにな・・・。アジアでは日本製は品質が良いと評判で日本人として誇りに思うけれど、もう10年もしたらそれも昔話になってしまうのかな?なんとかタイマーなんて言葉があるけれど、タイマーどころか最初から壊れているなんて。出荷検査はどうなってんだ?
究極の選択?
2014.10.25
最近のエボラ出血熱の流行で効果が期待されて試されている富士フィルム子会社のアビガン錠と米国Mapp社のZMapp、アビガン錠は条件付きながら既に日本国内で製造販売が承認されているが、ZMappは米国でも未承認。ZMappは抗体でヒトの免疫機能でウィルスをやっつけるが、アビガン錠はウイルスの遺伝子複製を阻害して増殖を食い止めるらしい。都合良くウイルスの遺伝子複製だけ阻害出来るものなのだろうか?と思ったらやはり催奇形性の副作用があり、それが条件付き承認となった理由の一つのようだ。催奇形性の副作用と言えば昔サリドマイドの問題があった。あれは妊婦が服用した場合のみだが、アビガン錠は男性も服用後7日間避妊が必要。もし服用したら自分の体内で健康な細胞の遺伝子複製が阻害されると思うとゾッとする。しかし、感染して10日前後で発症、発症から3日前後で死亡、しかも体中の穴という穴から出血するとなれば、誰でもアビガン錠を飲むよな。

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